企業での
活用事例

導入企業の声

自主保全活動と
自主保全士への挑戦

  • 凸版印刷株式会社・新潟工場(新潟県新発田市)
  • TPM新潟チーム 坂内徹氏

  • 主要製造品目:液晶用カラーフィルタ
  • 受験歴:2005年度より5年連続1、2級合わせて7回
  • 延べ受験者総数:1級=約10名、2 級=約150名

TPM活動活性化のための『自主保全士への挑戦』

当工場では、以前から「人と設備の体質改善」を狙いとして、TPMに取り組んでいた。その中でも「自分の設備は自分で守る」職場づくりを目標としてスタートした自主保全活動は、最も力を入れている活動の1つであった。
しかしながら、当初は活動も思うように進まず停滞ぎみで、いかにしてこれを活性化させていくのかが大きな課題となっていた。そこで、自主保全活動のテーマとして『自主保全士への挑戦』を取り上げ、資格取得に向けスケジュールを立て段階的に取り組んでいったところ、この状況から脱却し自主保全活動を活性化させていくことができた。

資格取得に向けた段階的な取組み

この取組みの第1 段階では、指導すべき立場の管理職・監督職、および専門保全メンバーが、自主保全と専門保全との役割の違いや部品構造・機能とその保全方法などをもう一度学び直すことから始めた。
これらのメンバーが、勉強会や通信教育の受講をとおし、当工場で最初の自主保全士となった。
翌年には、自主保全士資格を取得した管理職・監督職が講師となり、各サークルリーダーを教育し自主保全士を養成していった。
このようにして自主保全士となったサークルリーダーが、講師として次々にオペレーターを教育していくことで、自主保全士を毎年増やすことができるようになった。

『自主保全士への挑戦』の効果

『自主保全士への挑戦』への取組みを通じて、これを社内伝達教育の場として活用することにより、全員が自主保全に対する知識・技能の理解度を深めることができただけではなく、教育・訓練の有効なしくみを当工場に定着させるきっかけになった。また、自主保全活動のステップ展開では、トップ診断の際に自主保全士の有無を評価項目の1 つとして取り上げるなど、工場全体で自主保全士の資格取得向上を積極的に推奨している。これにより、自主保全活動は活性化し、TPM の前進に大きく貢献している。
当工場で自主保全士の占める割合は、まだ全オペレーターの1/3 程度に過ぎないが、今後も『自主保全士への挑戦』を続けて自主保全士を拡大させることで、数年先には従業員全員が「自分の設備は自分で守る=設備に強いオペレーター」へと変身でき、さらなる活躍・貢献をしてくれると考える。

※プラントエンジニア誌2010年5月号に掲載したものを編集して転載しています。情報は当時のものです。